佐渡 金銀鉱石 2.7㎏ 1aka001
江戸時代は金銀を含む鉱石のことを「鏈(くさり)」や「鏈石(くさりいし)」と呼んでいました。
1737年(元文2)成立と思われる佐渡奉行所が作成した産物帳に「金銀石種類多シ」とあり、金石の名前が「カスゲ」など38種、銀石の名前が「白マサ」など54種あり、金銀合わせて92種の鉱石名が記されています。
また、1800年代の技術書といわれる相川郷土博物館所蔵の「金銀山大概書」に鉱石の品位を上中下の3種に分けた図があり、金は「カスケ筋鏈上」「カスケ中鏈」「カスケ下中」、銀は「白佂銀鏈上」「白佂中鏈」「白佂下中」とあります。
現存する鉱石は近代の産出で当時の“下中”と等しく、石英中に銀黒(ぎんぐろ)と呼ばれる黒い帯状の筋が入っており、さらに相川金銀山・鶴子銀山・新穂銀山の三鉱山の鉱石は同じに見え識別できません。